2015年12月23日水曜日

阿弥陀岳北稜

12月23日(水)6:10~14:00 曇り・無風
阿弥陀岳北稜
◎メンバー
メンバー、左から伊藤(書記)、坂本(CL)、野戸

 今年12月の冬合宿の一部は槍ヶ岳中崎尾根に行くことになっています。しかしながら、槍ヶ岳中崎尾根登攀メンバーは夜も眠れないほどの悩みを抱えていたのでした。その悩みとは…、

 ・坂本部長は夏の海外遠征で負傷した怪我からアルパインをしていない
 ・野戸さんは業務多忙による錬成不足と膝の痛み
 ・伊藤は5月の利尻富士遠征から半年以上まともに登山をしていない(←だらしない)

 こんな課題を抱えて、冬の中崎尾根に登れるのか…。この日も人さらいに襲われる悪夢を見たというメンバーもいて、相当ナイーブになっていると言えます。それぞれの課題を克服すべく、強化登山が行われたのだった! 

 12月22日 この日はみんな忙しく、夜出発です。野戸さんは通常業務を終えて20時まで自宅で登山の準備を、坂本部長は21時まで仕事、伊藤は昼間から楽しい忘年会をしていました。ということで、伊藤の車で野戸さんと坂本さんを拾って、21時に横浜を出発、24時に長野県原村に到着しました(忘年会ではお酒飲んでません、本当です。) 原村にある秘密の宿屋に泊まり、1時ぐらいに就寝、4:30起床して車で美濃戸に向かいます。




美濃戸(6:10)~業者小屋(8:00)~取付き(9:40)~阿弥陀頂上(11:00)~業者小屋(12:00)~美濃戸(14:00)
※予測タイムより大幅に早くなりました。




 美濃戸の駐車場はガラガラだったので駐車は余裕でできました。しかし12月だというのに美濃戸周辺にはほとんど雪がなく、気温もマイナス3~6度くらいで暖かい。
 「マイナス3度なんて、ずいぶん暖かいですねー。」というような話をしているメンバー。街中だと5度でも寒くて耐えられないのに、ほんとにおかしな会話だと思います。
 それにしても阿弥陀岳も雪が積もってなかったらアルパインはどうなってしまうんだろう?ナイフブリッジとかどうなんの?という不安がありました。

 業者小屋に向かう途中の南沢ですが…雪がちらほら積もっている…。12月とは思えないほど少ない雪量です。でも業者小屋に着く頃には、雪がまあまあ積もっていました。

阿弥陀岳にも少ないけど雪がある!大丈夫

阿弥陀北稜



 8:10頃、業者小屋を出発して、取り付きへ向かいます。他に1組だけ北稜に向かう3人パーティがいて先行しているみたいです。うーん、アルパインで渋滞したら嫌だなぁ。
 取り付きまでのアプローチは傾斜が結構きつく、さらに野戸さんが鬼ペースで登るので全員息切れしました。アプローチの途中で野戸さんがルートファインディングで閃き、先行トレースを外れて直登ラッセルを開始!これが功を制して、先行パーティを抜かして、取り付きに一番で到着することができました。

下に業者小屋が見えますね

尾根伝いに取り付きを目指します

一部ダブルアックスで登った方が楽そうなところもありました(でもシングル)

いやぁ~きついっす。野戸さんが飛ばすから、おじさん横っ腹痛くなっちゃったもんね!



取り付きに到着(9:40) 左側にハーケンが二つあるのが見えますか?

登攀開始、初心者向けのルートなので簡単でした(内心すごくホッとしています)


 8ミリロープ1本使用。雪が少ないので、岩稜登攀です。アイゼンワークの不慣れからか、上の写真もへっぴり腰ですね。ナイフリッジも雪が少なくて結構怖かったです。

アッセンダーを活用した登攀を試みる野戸さん、初めてなのにすごい

登攀中の景色も良かった。赤岳と右奥に富士山。

 2ピッチで終了、ルートグレードⅠ級ということもあり特別難しいところはなく、サクサク登れました。トランシーバーを活用して意思疎通が簡単にできたのも良かったですね。途中で抜かしたパーティも登攀待ちすることもなかったので、結果的に抜かしてよかったですね。


11:00山頂に到着。ちょっと寒い(-6度)

サクッと下山


 14時には完全下山というスピード登山となりました。おかげで駆け上がるように登山したので心肺強化の訓練にもなりました。メンバーそれぞれの不安と課題を解消できたと思います。



総評
 トランシーバーはすごい(小学生並みの感想)


2015年12月12日土曜日

湯河原幕岩・強化月間


三週連続で湯河原幕岩へ行ってきました。(他にすることないのかと言われそうですが・・・)

11月21日(土) 村山、守、宮本、長谷川、廣井、野戸、河邉、上野(か)
11月22日(日) 村山、守、宮本、廣井、野戸


 本日トライしたルートは、
・シャワーコロン 5.10a
・ニューアライ 5.10a/b
アリババ 5.10b
・アニー 5.10c
・ゼルダ 5.11a




 河邉、上野が主にリード。残りのメンバーはそれぞれレベルに応じてリードまたはトップロープでトライしてもらいました。 
 シャワーコロンは相変わらず女性陣には出だしが鬼門のようです。ニューアライはグレードの割に上部が細かくイヤらしいです。
 アリババはこのエリアでは人気の課題。カチホールドが続きますが慣れてしまえば登りやすく、いずれ全員がリードでクリアしていただきたいルートです。
 で、この日、河邉と上野はアニーでハマりました。
 お互いのトライを見ながらホールドとムーブを確認し、二人ともトップロープでは問題なく解決に至りました。
 残念ながらヨレてしまい本日中のリード完登はならず、次週への宿題。
 最後にゼルダを少し触って終了。ここはリーチ課題と言われますが、女性でもバランスで解決できますので、皆さん頑張ってトライしましょう。
 なお、この日は一部のメンバーはOBの守さんが持つ湯河原近郊の別宅に泊まり、翌日も昼過ぎまで登りました。
 若手はともかく、OBの面々の元気な姿には感心するばかりです。



安心してください!張ってますよ。(^^;)

11月28日(土) 村山、宮本、廣井、河邉、上野(か)

本日のルートは、
・サンセット 5.10a
・アニー 5.10c
・ルート名不明 5.10a?
・魔法のランプ 5.11a
・アブラカタブラ 5.10a など。


 サンセットでウォーミングアップを済ませた後、河邉、上野は宿題となっていたアニーへ。
 既に他パーティーによりランナーセット済みなので、上野はそれをお借りして、また河邉くんはマスターでリード。二人とも本日一発クリア。
 先週あれだけ悩んだのがウソのようで身体がすっかり覚えていましたが、とにかく宿題が一つ終わってホッとしました。
 上野は余勢をかって隣の「魔法のランプ」へ。この日のうちに三便で片づけました。河邉くんは遠いホールドにムーブが固まらないようで、残念ながらこちらは持ち越し。
 廣井さんはアブラカタブラほか10a台にリードでトライ。ツボを得たのか、最近かなりイイ調子です。(OBを抜く日は近い・・・かも?)






12月5日(土) 村山、宮本、長谷川、廣井、松浦、上野(か)

 三週続けての幕岩。温暖な山なので真っ赤な紅葉とはいきませんが、山全体もいい感じに色づいてきました。



 今日のルートは、
・サンセット 5.10a
・アボリジニ 5.10a
・クリスマスローズ 5.10b
・シャワーコロン 5.10a


 いつも好き勝手に登らせてもらっているので、本日は日頃のご愛顧に感謝して私(上野)がヌン掛け。ロープの結び方、ビレーの仕方、フリークライミングの基本的ルール、やってはいけないことなど少しレクチャーさせていただきました。
 廣井さんとまっちゃんはサンセットをリード。100点とは行かないまでも二人ともテンションかけずに登り切りました。
 長谷川さんもシューズを新調し、因縁の(?)シンデレラをリードで完登。良かったです。
 その後、皆が本日ハマったのがアボリジニ。
 ここはちょっとクセがあるのですが、改めてやってみると特に腕力は使わず、バランスと足で登れるイイ課題です。
 皆さん、核心部で跳ね返されていましたが、落ちるのを怖がらずリードでトライ。ここを楽に登れるようになると、また違ってくるでしょう。





 クライミングはやらなくても特に問題ありませんが、(東京五輪でも種目となったことから)やっていれば注目されるし、また登れるようになると楽しいものです。
 興味のある方は今のうちから「コソ練」(こっそり練習)しておきましょう。

上野(か)・記

2015年11月13日金曜日

キューハ沢~秋の丹沢沢登り~


日程: 2015年11月7日(日帰り)
山域: キューハ沢 / 丹沢
構成: 5名(河合/廣井/野戸/松浦/長谷川)
行程: 7:00塩水橋~本谷林道~8:00キューハ沢出会い~キューハ沢~
     14:00丹沢山~天王寺尾根~17:00塩水橋
目標: 沢登のついでにやまびこ
チャレンジ: やまびこ

報告:
『やまびこが沢で聞こえる』・・・そんな情報を得て、11月の沢登り、寒いだろなと思いながら行ってきまし水は冷たく泳がない方が良さそうでしたが、本を見ると意外とこの時期、丹沢の沢はおススメされています。今回、幸運にも天気に恵まれ、沢登りができました。

アプローチが長いとありましたが、キューハ沢出会いまでは1時間程度でそんなに長くは感じませんでした。丹沢の紅葉はこれからのようです。











出会いからは堰堤を5つ越えます。右岸から行きましたが左岸から超えるのが良さそうでした。
ちなみに堰堤経過中には、有名な戦争の遺物があります。沢登りしていられる今は平和ですね。











水がさすがに冷たいので沢心は避けましたが直登りできる滝もあり楽しめました。




澄んだ空気に沢がきらきらまぶしかったです。
 
核心の大滝は右岸奥の壁を登って越えられます。


大滝を越えると登りにくい滝が連続するようなので今回は左岸から巻きました。
それ以降は沢が崩れており方向がつかみにくかったですが、とにかく稜線を目指せば登山道につながります。ただ、アザミやバラがありルートどりを間違えると痛むので注意です。

山頂はあいにくガス。記念撮影後、山頂に到着後は好みで道具を変えて下山です。
天王寺尾根は丹沢山への最短ルートといわれるだけあり、とても整備されているのと、気持ち良い森の中を歩くルートでのんびりハイキングへ来るのも良さそうなルートでした。









ただ・・・沢の長さにくらべると、沢の源頭からここまでの距離は長いなぁ!
色々あって、ランプを付けずぎりぎり歩ける薄暗さの中で、17時に下山しました。

ちなみに、今回も要所要所で叫んでみましたが、やまびこは帰ってこず…まびこまでの距離はまだまだ必要なようです。

(記録:長谷川)

2015年11月1日日曜日

湯河原幕岩


日程:2015年10月31日(土)~11月1日(日)
一日目:村山さん、宮本さん、長谷川、上野(か)
二日目:村山さん、廣井、松浦、上野(か)、ほか1名(本市Y係長)
目標:忘れ物をしない。あと一歩だけ前に進もう(byスガシカオ)


 秋晴れの二日間、毎度おなじみの湯河原幕岩へ行ってきました。


 一日目、岩場に着くと既に多くの人、人、人・・・!
 いよいよシーズンに入り、アップエリアの桃源郷などトップロープがびっしり張られています。
 しかたないので一段上へ上がり、空いてる所からボチボチ始めます。

 本日やった課題は

シンデレラ 5.7

トムソーヤ 5.8
手品師 5.10d(TR)
とけいワニ 5.10c
伊豆の踊子 5.12a(TR)







 シンデレラは、毎度のアップ課題ですが、下からああだこうだとうるさいので二人のOBは長谷川さんに怒られていました。
 手品師は、ボルトが撤去されていたのでトップロープで。カチが指に痛いが、いい課題です。
 
とけいワニは、相変わらずカチから立ち上がってアンダー取るところが核心。
 上部で少し右へ逃げてしまいましたが上野はマスターでリード。ノーテンで抜けたので卒業でいいですよね?宮本さん。
 
伊豆の踊子は、我々にはまだミスマッチでしょう。


 終わってからは湯河原駅までタクシーで下りて、中華料理屋で軽く一杯・・・のつもりが二杯、三杯。
 村山さんと上野は明日も連チャンなので、今夜はこのまま岩場のそばの「しとど庵」跡でテント泊(事前連絡が必要)です。
 夜道を戻る時はイノシシが至近距離まで近づいてきて怖かったです。



 
 二日目、本日も良い天気。
 今日は場所を移して正面壁へ。
 課題は、


ポニーテイル 5.9

よくわからん 5.10c
ジムシー 5.10c
ともだちプライス 5.10a など




 ポニーテイルは、朝一だと少々パワフルですが、正面壁ではアップ課題です。誰もがリードできるよう頑張りたいものです。
 よくわからんは、核心部の登り方がホントよくわかりません。上野は途中でドカ落ちしました。トップロープですが廣井さんが上まで行ったのは大したものだと思います。
 
ジムシーはパワフルな好課題。宿題となりました。
 とも
だちプライス、まっちゃんは粘りに粘ってマスターでオンサイト。おめでとう!


 ゲストのY係長はグレード5.12も登っている強者。外岩、久々ながら本日5.10dまで三本オンサイトでお見事でした。


 帰りはまた昨日の中華料理屋で。
 軽く一杯のつもりが、また村山さんが「つまみも・・・」と言い出したのを危うく制し、今日は一杯で帰りました。


 これから冬になると小川山や甲府に通っていたクライマーが渡り鳥のように暖かい湯河原や伊豆の岩場へ流れてきます。
 今年は伊豆の城山辺りも行きたいですね。


 また、よろしくお願いします。


 上野(か)・記

2015年10月27日火曜日

癒しの森でやまびこ探訪~北八ヶ岳/稲子岳付近~


日程: 2015年10月24日(日帰り)
山域: 稲子岳付近(北八ヶ岳) / 長野
構成: 5名(長谷川・河辺・友人3名)
行程: 9:30稲子湯~12:30凹地(お昼)~ニュウ~17:30稲子湯
目標: 凹地でのんびりランチ 凹地の上からのやまびこ
チャレンジ: 凹地へのルートを探す

報告:
尊敬する先輩に連れられて、5~6年前でしょうか何度か連れて行ってもらった場所にもう一度行きたい場所がありました。稲子岳付近の凹地です。
















しかしながら、登山道の途中から凹地までは道がついておらず、記憶があいまいなこともあり、昨年は稲子岳にへ登ったもののたどり着けず、今年も再調査のもとハイキングへ行ってきました。

晴れていたので途中経由するみどり池がきれいなエメラルドグリーンに見えました。登山道も白樺などの木々が白や黄色をベースにやわらかい印象で癒されました。













中山峠方面の登山道をはずれ、地図上でポイントとして定めた地点を目指して森の中を1時間弱探索です。












目指していた凹地に到着です!しばし、シートを広げてののんびりランチタイムです。昼寝したくなるいい場所です。













帰り道は、ニュウの方面を目指し、また森の中へ1時間弱。ふわふわの苔や倒木を乗り越え、一般登山道へ無事合流しました。













写真なので伝わりませんが強風のニュウ。今日は秋晴れでしたが、北風一番?でもあったようです。
















この後登山道を下山し、17時半に車に戻りましたが、この時期この時間、山はもう真っ暗です。最後の30分はヘッドランプを使いましたが、ヘッドランプと早めの行動が大切ですね。
















山というと、ピークハントやピークをつなぐ縦走もよいですが、今回のような山腹にある素敵な場所を探す山登りもよいものです。『これはハイキング?』『藪はこいでないけど何だろう?』と聞かれ答えに詰まりましたが(笑)、皆、笑顔でしめたようでよかったです。

そうそう、今回もやまびこには出会えませんでしたので、やまびこ情報お持ちの方、また一緒に行ってくださる方がいましたら、企画しますのでお声かけください。

(部員:長谷川)

2015年10月24日土曜日

平成27年度 クライミング講習

10月24日(土) 9:00~12:00

メンバー:坂本・廣井・伊藤・野戸・岩野(OB)・守(OB)

場所:保土ヶ谷○○屋内訓練室

市役所山岳部では定番となった保土ヶ谷の某訓練室での講習会を実施しました。

10月の定例山行は、坂本部長が行う講習会と長谷川副部長が行う癒し山行に分かれて実施とな

りました。

講習組は以下の項目について訓練を実施しました。

・支点作成(シュリンゲのかけ方と強度)
・懸垂下降(エイト環・ATC等ビレイ器・ムンターヒッチ)
・仮固定(対エイト環・対ATC等・対ムンターヒッチ)
・ムンターヒッチでのセカンドのビレイ及びロワーダウン
・懸垂下降時のバックアップ(フリクションノット)
・フリクションノットでの緊急脱出
・シュリンゲでの簡易チェストハーネス・簡易ハーネスの作成
・グリグリⅡ使用方法
・1/3引き上げシステム
・ロープ登攀(素手・蟹ばさみ)・・・坂本・伊藤による展示

参加者全員が仮固定とムンターヒッチを覚えることができ、いつでもトップでの下降も任せられるよ

うになりました。

結索や器具の特性、器具に合った結索、何故制動がかかるのか等の仕組みを理解することがとて

も大事です。

今後もこのような講習を続けていきたいです。

特にムンターヒッチは、アルパインやクライミングを行う部員に覚えて欲しい技術です。

来れなかった方、次回は一緒に行いましょう!

1/3引き上げシステムを作成中の伊藤君


伊藤・野戸君はムンターヒッチ、守さんは仮固定、岩野さん廣井さん緊急脱出をおのおの訓練中

汎用性の高いムンターヒッチ



グリグリⅡの使い方と性能を確かめる






おまけ
お馴染みもやい結び。どちらかは「死にもやい」です。わかりますか?