2016年1月30日土曜日

今月の湯河原幕岩

1/3(日)快晴
参加:村山OB、宮本OB、廣井、河邉、上野(か)


アボリジニ 5.10a
ブライト 5.7
馬返し 5.9
マゾおけさ 5.10b
アン 5.10a/b
アリババ 5.10b
憧れのハワイ航路 5.11a TR


 正月も三が日から登っている者は少ないだろうと思ったら、いつものように混んでいました。
 おせち料理の飲み食いで皆、体重が心配でしたが、このところの晴天続きで岩の状態も良く、あまり言い訳はできません。


 本日は上野が主にヌン掛け。その後、皆にリード、トップロープで登ってもらいました。
 まずはアップでアボリジニを。前回から取り組んでいる廣井さん、今日はイケるかと思いましたが、まだ試行錯誤の状態。残念!
 
 
 

 その後、もっと易しめのをと、いつもは濡れていてあまり人気の無い大滝フェイスへ。
 傾斜の比較的緩め(に見える)スラブ・フェースで岩の感覚を呼び戻してから、上のエリアへ移動します。


 

 マゾおけさ、アン、アリババとやりますが、この辺りはどれもカチ系で似た感じ。河邉くんは10bまではまったく安定した感じで一撃でした。(拍手)
 
 最後に、憧れのハワイ航路をトップロープで。
 うーん、ムズい!滑る!細かい!そんな中、フットワークの軽い河邉くんがテンション掛けながらトップアウト。
 上野も左のアボリジニ側も使って(チョンボ)、テンション付きでトップアウト。
 新年早々宿題ができてしまいましたが、グレード的には解決できるはずなのでメゲずに頑張りたいものです。

 

 
 
1/17(日)曇り
参加:村山OB、宮本OB、廣井、上野(か)


アボリジニ 5.10a
憧れのハワイ航路 5.11a TR
アリババ 5.10b
夕暮れ時 5.10b


 本日は午後から天気が下り坂ということで、多少空いているかと思ったらやはり混んでいました。
 で、またまたいつもの桃源郷エリアへ。



    
廣井さん、宿題のアボリジニが空いていたので、まずはトップロープでムーブとホールドを再確認。
 見た感じ、いつもの核心部分で迷っていたので今日もまたオトすのは難しいかなと思っていたのですが・・・。
 何と本日二便目で見事レッドポイント!(リード、ノーテンションで完登)


 クライミング志向がそれほど多くない部にあって、これはなかなかの事件かと。(Yahooトピックスに載るかと思った!)
 既にアブラカタブラサンセットなどの10aも登っているので、仮免取得と言っていいでしょう。
 彼女のリードでヌン掛け、トップロープを張ってもらう日も近い?


 その後、憧れのハワイ航路を懲りずにトップロープで。
 宮本さんの「わかる人にはわかる絶妙な?コーチング」で少しコツがわかってきましたが、まだまだです。  


 さらにアリババ、夕暮れ時とやりますが、上野は今日は調子悪く、必ずどこかで落ちました。(もちろん次でキチッと片付けましたが)
 村山さんも調子が悪いようでしたが、何かヘンなものでも食べたのでしょうか?



 
 まぁクライミングは一つ課題を片付けても、三つ四つ宿題を持ち帰るのは当たり前。
 だからこそアツくなれるし、登れたらその分、嬉しいものです。お互い頑張りましょう。



上野(か)・記

2016年1月28日木曜日

厳冬期西穂高岳(上高地から)

日程:平成28年1月22日〜23日
天候:曇りのち雪
メンバー:長谷川(CL)、廣井、河合(OB)、伊藤(書記)


 冬山の入門コースで知られる西穂高岳ですが、通常は新穂高ロープウェイを使用していきます。今回は長谷川さんの提案により上高地から進入することになりました。事前の情報によると、こちらから登山する人はあまりおらず、トレースはほぼない模様。


【山行計画書】
沢渡ー釜トンネルー大正池ー田代橋ー西穂高岳登山口ー西穂山荘ー西穂独標ー西穂山頂



 天候が荒れる予定だったため、上高地から進入すると「雪崩の巣である釜トンネル出を通過するのは危険だ。」という河合さんの意見もありましたが、とにかく現地に行ってみる!危険を感じたら撤退!ということになり、予定通り上高地からのルートに決定しました。


 河合さんの車で、21時に横浜を出発して沢渡へ向かいます。新島々駅のセブンイレブンが最後の買い出しポイントです。


 翌1時30分に沢渡市営第二駐車場に到着、そのまま車中泊しました。この駐車場、夏は車で賑わっていますが、この時期はガラガラでしかも無料です。やったぜ。朝4時30分に起床して、長谷川さんが沢渡に1台しかとまっていなかった第一交通タクシーを手配できたことで5時30分にはタクシーに乗り込むことができました。釜トンネルまで2,900円、運転手に西穂高に登るんだと伝えたら、「帰りは大正池ありから電話してくれればタクシー来るよ。」って教えてくれました。親切な人だなぁ。



 6時過ぎ、釜トンネルを出発。気温はマイナス15℃。トンネルを抜け、大正池を横切り、田代橋を目指します。ここまでは除雪されているのでとても歩きやすいです。ちなみに新釜トンネルの出口付近は一部雪崩の危険があるようなので注意が必要です。



上高地は歩きやすい



 大正池に映る山々は美しく、心が澄みます


 西穂高岳登山口に到着。ここから先はトレースがまったく無く、雪も深いため全員わかんを装着し、8時30分に出発。


熊の注意書きにビビる伊藤

わかん装着してないじゃん

 フッカフカのパウダー雪なので、ラッセルが大変。順次、先頭を交代して進みますが、久々の装着のためか、わかんしょっちゅうずれてタイムロス。極寒の中、わかん装着を何度も修正するのはストレスと疲労が蓄積してしまうので、きっちり装着したいものです。


頑張る河合さん
へばる伊藤


 急登になるにつれて、ラッセルの恐ろしさを体感することになりました。雪を踏み込んで固めようとするのですが、雪が柔らかすぎてズボっと腰まで抜け落ちてしまうのです。

踏み込む→腰まで沈む→復帰→踏み込む→腰まで沈む→復帰…

 この繰り返しで体力を大幅に消耗してしまいました。頑張るものの、距離と高度を稼げず時間だけが経過していく。そんな中でも廣井さんが健闘して、サクサクとラッセルをしてくれました。しかし、後続の河合さんや伊藤は重量級のため、せっかくのラッセルも踏み抜いて腰まで沈んでしまうという…なんだこれは、たまげたなぁ(白目)。






 結局、夏のルートタイムの5倍の時間がかかってしまい、高度2,000m付近でテントをたてました(14時45分頃)。


ここをキャンプ地とする!


 このままでは、山頂どころか西穂山荘にもたどり着けないペースなので、長谷川さんと伊藤で日の入までトレースをつけることに。途中に「宝水」のポイントを見つける。ほう、どれどれ、今どのあたりなのかな~、もうすぐ西穂山荘なのかなぁ~デュフフ、と地図を確認すると、まだ半分も行ってませんでした。がっくり。
「この上に水はありません」って書いてあります。ここにも無いやん、どうしてくれんのこれ。


 とりあえず、高度2,100mまでトレースを付けて帰ることにしました。
空身でラッセル



 17時にテントに戻ると、温かい紅茶が待っていたのでした。トイレも完成していました。ありがたや。
 夕食は長谷川さんの自家製チャーシュー入りの鍋&河合さん秘蔵のアルファ米(賞味期限は半年しか過ぎていない)。極寒の地で食べる鍋の味は、最高においしいです。
 

 19時就寝、4時起床、カレーうどんを食べ6時出発。粉雪が降っており、風は比較的穏やか。気温は体感でマイナス20℃。おととしモンブラン遠征時にホワイトアウトした際もよくわからないジャージを着て、「はー、温かい。」って言ってた、あの河合さんが寒いって言ってた。とにかく寒い。





 もうこの時点で山頂はあきらめていたので、西穂山荘を目指しアイゼンは持たずにわかんを装着。荷物はテントに置いて出発。前日にトレースを作ったおかげで、暗闇の中も順調に進めました。高度2,100mを過ぎてから、またラッセルが始まりました。
 昨日と比べ、荷物も少なかったので比較的楽なラッセルでした。でもねぇ…。



ラッセル三昧

この雪量ではちょっと…

 8時35分になり、高度計は2,400mを示している。もう西穂山荘に着いてもいい高度なのですが、結局たどり着くことができず、ここで撤退を決定しました。翌日に伊藤がどうしても外せない業務があって帰らなければならなかったのです。すみません許してください、何でもしますから。


撤退場所で記念撮影
すっごく寒い
ここまで登ったよ、の頭文字「C」を再現(謎)



 9時30分過ぎにテントに戻り、撤収作業を開始。ラッセルで頑張りすぎて汗をかいてしまいました。オーバー手袋もシュリンゲも凍りつく状況であり、汗が体を凍えさせる原因となってしまいました。下山時は行動中も指先がちぎれんばかりに寒かったです。冬山では「濡れ」が命取りだということを再認識しました。

 10時下山開始。上りに比べ、下山はペースも速く、14時には釜トンネル入り口まで戻っていました。大正池で長谷川さんが行きに利用した第一交通の運転手さん経由でアルピコタクシーを手配してもらったおかげでスムーズに帰りのタクシーにも乗車することができました。本当にありがたや。(ちなみに、お正月以降の雪が深いこの時期、予約しておかないと沢渡までタクシーが上がってこないそうです。時間により中の湯バス停からアルピコバスの利用が1000円/人で可能だそうです。)



 登頂はできなかったものの、山行自体は楽しくて充実していました。また、山行の課題をいくつも確認することができ、次回に繋げられる登山となりました。





【総評】河合さん(66歳)からのお言葉
 私にとっても久しぶりの「雪山らしい雪山」となりました。そういえば20代の頃はこんな感じの登山が多かったように思います。
 このコースは2泊+予備日がほしい。でも今回は今回でとても楽しかったし、皆も雪が少しわかってきたなって感じ。とても良い山行でした。
・長谷川さんの企画力と粘り
・伊藤さんの体力
・廣井さんのルートファインディング
それぞれなかなかのものでした。


2016年1月9日土曜日

2015.12.29~12.31 槍ヶ岳中崎尾根

 あけましておめでとうございます。庶務担当Nです。本年もよろしくお願いします。

 昨年は夏山の一発目の山行で左ひざをぶっ壊し、あまり思うような登山をできず、また以前のような馬力が年のせいもあるのか(27歳)でないこの頃ですが、2015年の締めくくりに思いがけず素晴らしい登山をすることができましたので報告します。

日程:2015.12.28夜行~12.31
メンバー:S隊長、Hさん、隊員I、N(書記)

 まず、12月28日22時、2015年最後の金曜日故、忘年会の酔っ払いたちが徘徊する横浜駅にて集合し、S隊長の7人乗りパジェロで新穂高へ向かう。いつものように私は車内で一人飲んでいた。すいません。今回の中崎尾根はS隊長とHさんは5年前の敗退からのリベンジである。前回はペースが遅く好天を逃してしまったとのこと。今回も行動速度がカギとなりそう。
 29日2時位に新穂高無料駐車場に着。2時半に就寝。雪はやはり少なかったが、ちらほらと降ってはいた。

29日 曇りのち晴れ
 4:30起床。ほぼ寝ていないが本日中に中崎尾根の稜線に出たいため、早々に起きだし出発の準備をする。Iさんにハプニングがあったもののみな寝起きはまあまあ。スピードを出すためにできるだけ装備を軽くした。ワカンは持っていくか迷ったが、雪の量やトレースの有無などを勘案しデポしてくこととした。結果は大正解であったが。
 荷物の重量比は、 I>N>S>>>>>>>>>>H(女性) となった。
 私はテントと朝夕食を持っていたが、それでもIさんが重くなっていたのは、水を5L持っていたからである。まさにどMである。いや感謝である。これで水を作る手間が大幅に節減される。それにしても新穂高の登山案内所は快適であった。高校時のおんぼろの印象しかなかったが、新しくなっていた。
 5:35発。暗い中、右俣林道を歩き出す。温かいのでIさんなどは最初からロングTシャツ一枚となっていた。6:45穂高平着。ここで大休止した。小屋は開放されており快適そうであった。さらにつまらない林道歩きを続け7:45白出沢出合。ここも新しく整備されたらしく砂防ダムが27年完成となっていた。
穂高平にて休む隊長と服装の様子がおかしいI

滝谷ドームが見える
白出沢からは登山道の歩きとなりやっとで登山ぽくなる。だんだんと天気はよくなり青空も見え始めた。気温も上がりかなり汗をかいてしまった。やたら荷物が重いIおよびNはかなりばててしまった。9:10滝谷避難小屋着。10:35やっとで槍平着。昼ご飯を食べアイゼンを装着。11:05発。
槍平にて
ここから中崎尾根に出るために尾根に取りつく。トレースはばっちりあり、ラッセルの必要はないが降りの際の踏み跡のため登りの場合かなり大股で筋肉に効いた。40分ほど尾根上を直登し休憩。振り返ると穂高連峰が全貌を現している。天気は快晴となり展望は抜群だ。景色を見ていると疲れも吹き飛んでしまう。奥丸山の肩への最後の登りを踏ん張り、中崎尾根の稜線に出る。だらだらと歩き13:30、2360m付近BC予定地へ着。先着でテントは2張あった。幕営できるよう雪を掘り踏み固め設営。夕飯までは時間があるのでブラブラ景色を見たりして和む。テントサイトからの景色も抜群で真正面には南岳、大キレットをはさんで北穂、奥穂がよく見えた。
テン場からの眺め。夕暮れの穂高

トマトペンネを作るNと大先輩Mさんのまねをする隊長
初日の夕飯はNの担当であった。ほぼ固定となってきた感のあるトマトベースのペンネである。ベーコン、玉ねぎ、マッシュルームなどを煮込みトマトスープで味付けする冬にはもってこいだと私は思っているがどうだろうか。酒を持ってきたのはNだけだったが空気を読まず一人で飲んだ。冬はバーボンはもちろんだが、ジンが非常に向いていると個人的には思う。冷やせば冷やすほどおいしくなるのだなこれが。
 夕飯を食べ終わり翌日の水を作ると特にすることもないので17:30就寝。


12/30 快晴
 4:00起床。実に10時間半寝ていた。朝食は鹿児島ラーメン味のマルタイにS隊長差し入れのチャーシュー(凍っていて切るのが大変だった)を豪快にぶち込んだもの。朝からヘビーだったがこの日午前中の行動食をほとんど食べなくてよいほど腹持ちがよかった。
 5:35発。BCからすぐのところにより多くのテントが張られていた。信州大や日大の大学山岳部のテントもある。信大は出発が遅れたためか、下級生が先輩に叱責されていた。こえー。でもここでしっかり技術を身に着けるのだろう。両者大変だけどがんばれー。
 暖冬と言えども夜明け前の北アは寒く、吹き付ける氷交じりの風は冷たい。体温を上げるため少しペースアップして歩く。6:40千丈乗越下部の取りつきで日大隊に追いついた。ここで休憩。夜明けの空が美しいピンク色に染まっている。下界で鬱積したくさくさした心が洗われるようだ。寒いけど。最後尾のリーダーぽい子によると3日かけてルート工作を行い、今日アタックなのだと。これまでばっちりあったトレースも彼らによるものだったのだ。この時私は今年の箱根駅伝は日大を応援すると心に決めたのだった。
夜明け間近の笠ケ岳
西鎌尾根から槍を見上げる

最後の急登。槍の影が。手前はI

 千丈乗越で日大を追い越し、西鎌尾根の登りとなる。浦銀座の山々は真白で眩しい。やはり雪は少なく岩がむき出しになっているところもあるが、危険な個所もなく順調に高度を上げ、8:35槍の肩着。主稜線に出るとひどい強風で氷が頬や目に当たり痛い。寒いので休憩もデポもせずに穂先へ取りついた。ほとんど岩の登りでさくさくと進み、9:00槍ヶ岳山頂着。ついに冬槍に立った。最高の天気、トレースばっちりと、難しいところは一つもなかった。しかしやはり嬉しい。4人ともやっほいうほほいなのである。大天井、常念、穂高、笠、双六、鷲羽、針ノ木などなど北アの山々が一望できる。
肩から穂先

山頂より穂高
頂上まであと少しのHさん

記念撮影。左からN、Hさん、隊員I、S隊長
10分程滞在し下山開始。慎重に降り、肩の小屋で昼食。くっそ寒いので休憩も程々にし10:00発。西鎌尾根を降り始めると風は大分おさまり、日の当たるところは暖かい。ぽかぽかと春山のようでもある。10:35千丈乗越。無駄にシリセードで新規ルートを開拓しつつ中崎尾根を降る。
西鎌尾根の稜線と笠

 11:50BC着。存外早く降りれたことと、明日の行程を楽にするため槍平まで降ることとする。私は結構疲れていたのでテントの撤収がすこぶる面倒ではあった。
 12:50発。奥丸山への登りが非常にきつかったが、あとは降るだけだと油断していた。が、尾根道で2回転倒してしまった。14:05槍平着。すぐに昨日と同じようにテントを設営。2日目の夕飯はラーメンである。Hさんのお手製乾燥野菜とS隊長のチャーシュー(2本目)で非常に満たされた。特にすることもないので18:00就寝。


12/31 曇り
 6:00起床。寝すぎである。I隊員の様子がおかしかったが気にせず、そばを食べ7:40出発。快調にとばし10:20新穂高着。帰りがけ穂高平でHさんが今年一年探し求めていた山彦にも思いがけず出会えた。よかったですね。その後、平湯で温泉に入り帰途についた。そして私は一人大晦日過ごしたのだった。


 一年の締めくくりに天気や仲間に恵まれ、素晴らしい登山をでき感謝。今後は会としても冬山縦走を増やせればと思う。もちろん今回のような好条件下ばかりではないので、雪山の知識・経験をもっと積まなければならない。ということで大先輩方、よろしくお願いします。

記録:N