2016年3月26日土曜日

伊豆・城山 マルチピッチ

 伊豆の城山へクライミングに行ってきましたので報告します。

日程:2016年3月26日(土)日帰り
天候:晴れ
メンバー:上野(か)、河邉



 いつもはクライミングといえば湯河原や広沢寺が多い山岳部ですが、今回は少し遠出して伊豆半島へやってきました。(それでも十分日帰り圏内)
 城山は伊豆の国市(通称・伊豆のへそ?)にあって標高こそ342mと低い山ですが、100m近い南壁を始め多くの岩壁があり、冬は定番のクライミングエリアの一つです。



 今回はステップアップ研修?としてマルチピッチのおさらいほか、いつもと違う岩質を味わうのが目的です。
 偶然にも雑誌「山と溪谷」の最新号にも紹介されているルートなので、興味がある方はご覧ください。


 まず登ったのは、

バトルランナー 5.7~5.10b 4ピッチ 95m
 城山では超人気のマルチピッチ・ルートです。
 人気のため、冬のハイシーズンは順番待ちとなることもしばしばですが、この日は意外にも空いていてアップを兼ねてさっそく取り付きました。




 1ピッチ目
 上野リード。グレード5.8の簡単な(はずの)スラブ・フェースで、もう何回も登っているはずなのに苦手です。
 でも、さすがに出だしから落ちるわけにもいかず、弱点を選んでジワジワとビレイ点まで上がりました。


 2ピッチ目
 河邉リード。同じく5.8の似たようなフェースですが、さすがに山下町のマムートで登り込んでいるだけあって岩に対する順応性が高いです。
 核心の鎌型ハングは目の前ですが、安全を期してハングの下でピッチを切りました。



 3ピッチ目
 上野リード。核心のハング越えです。
 ここはグレード5.10a(最新のガイド本では5.10b)ですが、湯河原などと違い、最初はちょっと面食らうかもしれません。
 上野はこれが三回目となるので、さすがに登り方を覚えていましたが、初の河邉くんはいかがだったでしょう?
 ハングを越えてからも、そのままさらに登り続けます。


 4ピッチ目
 河邉リード。フィナーレとなる最終ピッチ。
 終了点からは眼下に蛇行する狩野川が望め、クライミングならではの景色が味わえます。
 お互いフェイスブック用の写真を撮って(笑)、下りはロープを使って懸垂下降です。





 
 一休みした後、午後のひとときはショートルートで。

やったのは、
ブルースカイ5.9、ジプシーマリー5.10a、スクールゾーン5.10cの三本。
 
 上野は先ほどのマルチピッチでもう疲れてしまったのか、いずれも軽くテンション入ってしまいました。
 昨夜の職場の納会でついついだらしなく飲んでしまったのが、イケなかったような気がします。(>_<)


 河邉くんも初めての岩場で多少戸惑っていましたが、ジプシーマリーは見事一撃!スクールゾーンもトップロープながらノーテンションでクリアです。


 伊豆は暖かいので、残念ながら城山のクライミング・シーズンはそろそろ終わりです。
 今回は行きませんでしたが、近くには修善寺、長岡など温泉もあり、沼津港での海鮮ものも味わえます。
 楽しんで登るにはワンステップ修行が必要ですが、興味がある方はぜひ!



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上野(か)・記

2016年3月23日水曜日

2016.2.26~27 八ヶ岳 権現岳~赤岳~硫黄岳縦走

 もう完全に春ですね。花粉症が辛いです。こんばんはNです。
 時間が経ってしまいましたが、冬の南八ヶ岳を縦走しましたので報告します。
 いつも赤岳山頂から南面へ延びるかっこいい峰々を眺めては縦走したいなぁと考えてはいたのですが、期待通りの尾根でした。もともと小同心クラックを2月最後の週末でやる予定であったので(これも私の希望で)金曜日をくっつけて縦走もバリエーションも両方いっぺんに行ってしまおうという計画となったのでした。

メンバー:N、Hさん

2/25
 21:45我が最寄駅、相模大野集合。市内に住んでるHさんにはご足労頂いたが、大野のほうが圏央道近いですもん。途中双葉で休憩。ギリギリで0時を回るよう低速で走行し無事日付をまたいでインターを降りる。だって値段全然違いますやん。天女山登山口1:30位着。雪は全くなく、わかん無しでも行けそうだ。

2/26 晴れのち曇り
 4:45起床、5::35発。雪があれば序盤からラッセルらしいが全くなく、さくさく進む。
 5:55天女山。朝日が昇り富士山が赤く照らされ美しい。天の河原で休憩。
天の河原から

 ここから樹林帯の中をゆるゆると登っていく。雪は固く歩きやすいが、溶けて固まっており、スリップには注意が必要だ。斜度がきつくなってきた2000m付近でアイゼン装着。ここまでで7:35。
 急登は続き二人ともはあはあ言いながら登る。9:05前三ツ頭。ここで大休止。富士山と北岳甲斐駒千丈の山々が美しい。稜線に上がったので風が強い。まだ急登は続き10:10三ツ頭。ここからは傾斜が緩まり稜線歩きを楽しむことができ、たびたび振り返っては歩くHさんを撮っていた。と、ここでいきなりアイゼンが外れた。はて?と思いよく見るとセミワンタッチの前部プラ部分が割れている。一気に焦るN。
権現からの出だしにある梯子。


そろそろキレット小屋が見えてもいいんだが。







 
 









 しかし、Hさんがプルージック用のシュリンゲを使い直してくれた。今後この修繕方法をH式と名づけることとする。しかし、通算して10年ほど使ったバサック。最近スノープレート変えたばかりなのに。悲しい。
 

 11:30権現岳。50分発。雲が厚くなり曇天の様相を呈してきた。風はさらに強くなり冷たい。権現からはかなりペースが鈍化し慎重に進む。権現からの降り梯子の先のトラバースが唯一いやらしい個所だった。とにかく風が強く、まっすぐ進めないので余計な力を使ってしまった。13:55ツルネ。もう目指すキレット小屋は見えているが、へろへろになりながら歩き14:10着。
 風がある程度防げるがそれでも結構吹き込んでくる。竹ペグが雪が固く使えないのでピッケルを刺し込んで代用した。今日の夕飯はクリームシチューである。ベーコンとウインナー、玉ねぎマッシュルームを投入し、〆は前回同様K御大配給の期限切れおこわであったが非常に美味だった。
 食べ終わると急に冷え込んですることもないので18:30位には就寝。

2/27 晴れ時々曇り
 4:45起床。シェラフカバーの内側が凍っている。夜、吹き込む風で久々に寒くて眠れなかった。個人装備の外張りを買おう。うん。朝食を食べ発準備をする。空は晴れており星が見えていた。尾根を挟んで東側は朝で西側は夜のような不思議な空の色を眺め、6:10発。

朝日に照らされる赤岳。


歩いてきた権現からの稜線。美しいなあ。
寒さに耐えながら、でも朝の美しい景色を眺め、うきうきとした気分である。2500mを超えるとルンゼっぽい雪のついた溝を登る。大体トレースはあり、迷うことはない。
 7:50、2700m。頂上まではあと一息。寒いが日が当たっているとこは少しだけ暖かい。
登るHさん。
トラバースを試みるHさん。
雪煙上がる赤岳。
 9:05赤岳山頂着。権現からは一人とも会わなかったが非常ににぎわっている。文三郎尾根を降りてもよかったのだが、せっかくなので南部八ヶ岳を縦走し、赤岳鉱泉を目指すことにする。メインザックで稜線を歩いている人はほとんどおらず、どこか誇らしい心持であった。11:25横岳。山頂から明日登る予定の小同心を見下ろすが全く登れるイメージがわかない。明日は一日鉱泉で寝てたいなとも思った。
南八ヶ岳主稜線。かっこいいギザギザ。
 硫黄岳までのめんどくさいだらだら登りが一番足には応えた。12:30硫黄岳。そそくさと降り仲間が待つ赤岳鉱泉へ13:50着。長かった。明日が本番だというのに。
Hさんのおごりでビールで乾杯。
おまけ
 記録:N



谷川岳東尾根

平成28年3月20日~21日 

天候:雪

メンバー:坂本(CL)・長谷川・廣井・伊藤・野戸


3月の連休を使用して谷川岳初級バリエーション東尾根を計画した

今年は降雪が例年の半分と少なく、日程的にも不安があった

19日夜行・20日アタックの予定だったが、20日は南岸低気圧の通過後によるコンディションの悪さ

と高気温からの雪崩が予想されたため、気温が下がり雪がしまる21日をアタック日とした

20日の朝7時にクルマ2台で出発し、SAで合流し12時過ぎにロープウェイ駐車場に到着

その後、一ノ倉沢と一ノ沢取付の偵察に出かけた

途中、登山センターで計画の変更を行い、木や岩が見えていることと22日から入山禁止になるこ

とを告げられコンディションの悪さにすこ~し不安になった

駐車場から一ノ倉沢までは約1時間

積雪もなくトレースもあり順調に進んだ

一ノ倉沢から一ノ沢までは、部分的に滝壺が見えたりと降雪の少なさを物語っていた

ここ1~2日の降雨や降雪でトレースも消えておりデブリもかなり見られた

一ノ沢下部にかなりのデブリがあったが、どれも沢ではない側壁の雪がことごとく雪崩れており

岩や地面がむき出しとなっていた

この状況では側面からの雪崩は無く、沢自体の全層雪崩のリスクが考えられたが気温が落ち

雪が締まれば行けると判断し翌日のアタックを決めた

駐車場に戻り、ささやかな持ち寄りパーティーを行った

夕食ではカレーがスープカレーになるアクシデントがあったが、結果、翌朝にカレーラーメン

として使用でき無駄がなく幸先良好であった


21日

朝1時半起床、3時スタート

天気は雪

表層雪崩が頭をよぎるが降雪量自体が少ないのでリスクは少ないと判断する

4時過ぎに一ノ倉沢到着

先行パーティーは1組

アイゼンを装着しクライミング開始




谷川岳は、雪により視界が悪く、偵察していなかったら迷ったかもと思うくらい暗く静かだった

たまに見える先行パーティーを追うように取り付きに到着

雪は予想通りしっかり締まっており、先行グループのアイゼン跡が解らないくらいであった

東尾根の第一関門はこの一ノ沢

斜度もあり、雪崩が来れば逃げ場もなく飲まれるだけ

雪が締まっている間にシンセンのコルに上がることが求められる

先行パーティーを途中でぬかし、一気にコルにあがった

ここはさすがの山岳部、ここぞの体力は折り紙つき


登ってきた斜面


登る部員


雪が弱まったり、晴れ間が見えたりと予報どおりに高気圧が張り出して来るのを待ちわびる

沢を登り切りコルに到着するも何か景色が違ったが登り切った場所がシンセンのコルだった

降雪量の少なさから例年とは大いに違う状況だった

コルから第二岩峰までも藪や岩が露出しており雪陵とは程遠く登りにくい状況であった

第二岩峰は雪がなくピッケルの効く場所も少なく4級ほどに感じた

野戸・伊藤隊員はフリクションでクリアー、長谷川・廣井隊員はビレイでクリアー

第二岩峰を超え、雪の降る中しばらくは雪陵が続く

気温は下がっていて雪は締まり続けていたので快適に登れた

寒さはそれほどではなかった


第二岩峰先の急斜面、ピッケルとアイゼンが良く効いた


標高1700m付近からはガスの中となり、魔の山谷川岳が姿を見せた

しかし、一丸となって登攀を続けた


雪庇はすでに崩落しており、ナイフリッジも締まっていて難なく通過

ついに核心の第一岩峰が現れた

冬に戻った魔の山の第一岩峰は海老のしっぽと着氷に覆われ異様な姿だった



難易度は4級+ほどだが、氷雪に覆われ難しく感じた

落ちる覚悟で登り何とか踏ん張り登ったが久々に冷や汗をかいた

野戸隊員はフリクションでクリアーしたが、伊藤隊員が予想以上にてこずる

第一岩峰は体重移動が上手くいかないと登れない

また上部ビレイ点も良いところがなく雪面にピッケルを埋め込んでのビレイ

何度かテンションがかかる中、不意に大きなテンションがかかった

座った状態で身体が引きずられ左足とピッケルで何とか支えた

ピッケルでも支点になることを学べたのは良かったが、そう何度も持ちこたえられとは考えられず

時間経過と続く降雪、寒さ、この後の雪壁、岩峰を巻くにしても状況が良くなく時間もかかる等

総合的に考え、伊藤・廣井・長谷川隊員には悪いが3人で巻くことを進言した

岩峰を巻いた3人と合流し最後の雪壁を登る

上部には雪庇がなく岩が露出しているような状況であった

クライマックスの雪庇超えは無かったが、難易度が上がった雪壁越えとなった

トータル7時間で無事完登



下降ルートは西黒尾根を使用し、11時間半の長い登山が終わった

決していい条件ではなかったし、それぞれに課題が残る登山となったが

「苦労というプロセスなくして成長はない」

メンバーの成長につながる貴重な糧となり良い登山であった

東尾根は初級ではあるが、谷川岳ならではの雪壁・岩峰・雪陵があり一般的なバリエーション初級

ではないように感じた

まさに谷川岳では初級と言えるルートであり、雪山の醍醐味を味わえる最高のルートであった

是非、次回は岩峰を踏破して完全制覇をしてほしい。


記:坂本








2016年3月17日木曜日

2016.2.28 三叉峰ルンゼへ!(八ヶ岳/横岳西面)


 部員のHです。権現~硫黄岳の縦走の翌日、予想外の疲労が残り、小同心クラック隊は辞退し、K先輩とI先輩についていって、三叉峰ルンゼ~石尊稜上部(八ヶ岳)へアイスクライミングへ行ってきました。
 前日にK先輩とI隊員に着けてもらっていた滝までのトレースが隣の滝(鉾沢)のものであることがわかって、ルート変更したり入る沢筋を迷ったり・・・と、いろいろありましたが、何とか三叉峰ルンゼの滝を3~4つ超えて、石尊稜の上部の岩場を超えて、横岳の稜線にでることができました。
 予想外のラッセルがあったり、滝はブルーの氷で固くなかなかピッケルがうちこめなかったり、滝を超えて登った石尊稜の上部の岩場がアイゼンをひっかけて登らねばならなかったり、いろんな意味でヒヤッとする場面がちりばめられていましたが、天気もよく、他のパーティもいなかったので、氷、雪、岩を存分に楽しむことができました。
 赤岳鉱泉への戻りが遅く、小同心クラック隊の下山を3時間も~~~遅らせてしまい申し訳けありませんでしたが、I隊員が残っていてくれて荷物を持ってくれて(K先輩より「(I隊員は)神様だ」との言あり)、赤岳鉱泉から車までの下山も無事にできました。ありがとうございました。今日があるのも皆様のおかげです!
(行程:4:50赤岳鉱泉~6:45 F1~11:50石尊陵上部~13:15 横岳稜線~14:15 地蔵尾根分岐~15:30赤岳鉱泉)

※以下、写真です。

夜が明けるまえ(2:30起床後)から準備して、







氷を登りに行ってきました。








はぁはぁいいながらラッセルして










  
 

 待ち時間は体が冷えたけど順番に登ったよ。




























白い雪や青く透き通る 氷が美しかったなあ!










やはり雪のあるこの季節の山は美しい世界だ。















苦行(それも好きだけど)もはさみながら、

正直無理かも~(でも戻れないし~)と思う岩場もありましたが、












最後まで諦めないで登りました。








ん!何とか稜線にでました!!








 
がんばりました~。







 


苦しい場面があっても、いつも











部活の仲間のおかげで乗り切れることに感謝だ!