2017年1月9日月曜日

2017.1.1 元旦 富士山

 日程    :2016.12.31 20時発~2017.1.1
 メンバー:Sリーダー、部員M(変わり者の松)、N

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。庶務担当Nです。

 年末年始に、富士山登山をしてきましたので報告します。

2017.1.1剣ヶ峰。左からN、S、M


 冬季富士登山は天気を読むことが最も重要で、冬富士の風の怖さを散々、K御大やU野登攀部長より聞かされて結構ナイーブになり、「てんきとくらす」などの予報から風が最も弱い時間帯を選んだ結果、本来は29か30日予定であった山行が31日発に延期された。この間私は、28日に御用納め後、久々に山に行かない不毛な年末を過ごしていた。

 31日の16時に戸塚駅に集合しSリーダーの車で御殿場へ向かう。部員Mはいつものように40分遅刻した。御殿場のコンビニでどん兵衛で早めの年越しそばを食し、18時半太郎坊の車止め着。話し合った結果、7時ごろまでは風が弱そうなので、出発時刻は20時となった。せいぜい22時発で6時半に頂上で御来光かなと考えていた私は不服だったが、Sリーダーの登頂が目的との判断で納得した。
 1時間ほど仮眠し、20時発。5合目登山口までは車道を歩き、すぐに登山道となる。夏であれば(そういえば夏の富士山て登ったことないなあ)ザレてるそうだが、いまは固くしまっている。時間はたっぷりあるので先頭を行く部員Mにもっとゆっくりとか文句を言いながら進む。単調ななだらかな斜面が延々と続き、歩くことに飽きてくるが、空気は澄み渡り、空はどこまでも高い。オリオン座が普段見ている5倍くらいの大きさに見える。
 2,000mを超えたあたりでアイゼンを装着した。固い雪からすぐに氷となりサクサクと斜面を登っていく。夏道に沿ってジグザグに登ると最初の小屋跡に着いた。標高2,700m付近の小屋跡で休憩時に午前0時を迎え年を越した。関東地方各所でニューイヤーを祝う花火が打ち上げられ、それをはるか上から眺めた。元旦に何をやっているのかとの思いもあるが、これはこれでよい年明けである。ここから先は風が吹き、気温も下がり、いよいよ寒くなってきた。斜面はカリカリに凍結している。暗い中をルートを外さないように慎重に登っていく。途中の小屋跡すべてで休憩を取るが、風を防げる場所はなく、手足の指先がかじかんでくる。また、徹夜と高度のせいで座っていると眠くなってくる。標高3,300m以上から、私は体力的に非常にきつくなり、ペースが鈍化した。これも高度と寒さの影響なのだろうが、登るモチベーションが減退していた。何度も立ち休憩を入れるが、すぐに息があがってしまう。しかし動いていないと寒い。頂上までの最後の急登が長く辛かった。

御殿場口山頂の鳥居

 5:35御殿場口山頂着。山頂はやはり風が強い。そして6:10剣ヶ峰着。日本男児ならばだれでも登りたいと思うであろう冬富士の頂に立つことが出来、感無量。のはずだったが、この時は寒さと疲れで早く降りたい一心だった。頂上には単独の先行者が一人いて、写真を一枚とってもらった。日の出を山頂で待つとのことだったが、我々は先に下山を開始。幾分空が明るくなって、大分降り易いが慎重に進む。6:50ご来光。初日の出は標高3,500mで拝んだ。相模湾、駿河湾に朝日が反射し美しい。また降っていく氷の斜面がキラキラ輝いて、これもまたきれいだ。危険だけど。

まだ夜明け前
初日の出


ピンクに染まる斜面

日の出その2
先行する二人


輝く海と芦ノ湖

 日が出ると、気分的にもリラックスでき、また暖かい。しかし、滑ったら一発アウトの斜面は続くので、アイゼンをしっかり効かせて注意して降る。7:20、標高3,400m。予定通り7:30前に危険地帯を抜けた。8:30頃標高2,700m。斜度が落ち歩きやすくなった。降りは須走ルートを選択した。2,400mでザレた斜面になったが、アイゼンなしではスリップするので装着したまま降った。ここまででかなり足に疲労が溜まり、まだあと1,000m降ることに絶望。ここから各々のペースで歩き、私はかなり遅れた。登りもだったが、単調な斜面がずっと続き嫌になる。そして暑い。アンダーウェア一枚になるがまだ暑かった。10:40大石茶屋着。3時間半で降りてきた。

 当初の不安は風であったが、Sリーダーの読み通り風の弱い時間を狙って、山頂付近の登下降ができ危険を感じる部分はなかったが、風が吹いていたら全く違う内容になっていただろう。あとは、絶対的に体力が必要だと感じた。基本的なことだけれども、冬富士を登るうえでは、一番重要だと思う。今回私は、U野先輩の「冬富士はイイヨォ~。景色がもうっ最高(ニコニコ)」との言葉に騙され(勝手に騙され)この部分を甘く見ており、登った後、足はへろへろ、もうこんな登山するもんかと、そんな気分になった。なので行くときはよくトレーニングしていくべき。
 まぁ、なにはともあれよい年の初めになってよかった。同行したSさん、部員Mさんありがとうございました。