2022年1月18日火曜日

2022.1.14-15 爺ヶ岳南尾根(敗退)

日時:令和4年1月14日〜15日

天候:晴れ(1日目)、晴れのち雪(2日目)

メンバー:野戸(CL)、松浦、伊藤(書記)

ルート:

1日目

0630 発

0745 取付

1115 1400m

1635 1850m


2日目

0330 起床

0520 発

0740 2100m

0920 2300mJP

0950 2330m撤退開始

1145 テン場

1355 取付道路

1430 ゲート


【概要】

爺ヶ岳南尾根攻略は柏原新道登山口からではなく、その更に東側(白沢出合)にある本当の南尾根(勝手に真南尾根と呼んだ)を登ることとなった。結果、急登&ラッセル三昧でヘロヘロになりつつ2日目午後の天候が悪化することからJPまで登り撤退。一部でクライミング要素の核心部があったり、急登というその斜度から雪崩の危険性を肌で感じつつ、雪庇等危険箇所を回避しながらの登山は思っていたより充実した内容であった。


13日金曜日の夜、街では山に対する家庭の理解という核心部を乗り越えた30代3名が集合した。お父さん世代は街の核心部を乗り越えねば山に登れんのだ。みんな頑張ってる。お母さんも子供も。我々山部は家庭にもっと感謝しなければならない(戒め)


22時横浜某駅に集合し、まっちゃんの車で扇沢冬季ゲート前駐車場へ向かう。途中買い出しをしつつ2時頃到着。「朝4時30分起きで6時00分には取付きまで進もう」と計画し車中泊をしていると、朝4時頃土木作業員の人に起こされる。「除雪作業するから車を退けてください。除雪が終わったら駐車していいですから。」と言われ、一時退避し除雪作業が終わるのを待つ。土木作業員の方、大変お疲れ様です。6時に作業が終わり、登山準備を整え6時30分に冬季ゲートを出発した。予定通りにはいかないね。

前日に大雪が降っていたので除雪作業が発生したようだ。今後も同じようなパターンがあるかもしれないから要注意である。

冬季ゲートの先は積もっている


冬季ゲートを乗り越えると道路には20cmの積雪があった。新雪なのでふわふわだ。最初からわかん装着でアプローチまで進む。二つ目のトンネルをちょいと越えた右側にある取付き(尾根梺の東側)に7時45分到着。膝上ラッセルで進むとすぐに急傾斜が現れる。最序盤からトレッキングポールやピッケルを使ったラッセルが必要となり全身雪まみれ。先頭はザックを置いてラッセルをし、セカンドが踏み固めて、3人目が通る。ある程度進んだら先頭交代でザックを取りに戻るというパワフル大作戦を執り高度を稼ぐことにした。この作戦によりふわふわ新雪な状況であっても終始踏み抜きが少なかったと思う。

11時15分、高度は1400m付近…。3時間半もかけて300m程度しか高度をあげられてないやん…という絶望感がパーティを襲う。びしょびしょになった手袋の不快感も相まり疲労感もマシマシである。

冬季ゲート後は除雪なし

道路から外れて取付きへ向かう

取付き


本格的なラッセル開始



パワフル大作戦の始まりや


頑張れ♡頑張れ


12時30分、大休憩。食事を摂りつつ「今日中にJPまではたどり着けない。できれば1950m付近で幕営しよう。」と方向性を固める。その後も黙々とパワフル大作戦である。荷物を持っていない空身の先頭者がザックを取りに戻るのは地味に疲れる。1800m付近でまっちゃんが先頭でラッセルをしていると、「ズン」とか「ゴッ」というような音とともに一瞬の振動が発生した。本当に雪崩が目の前で発生したのかと思って心底びびった。


樹林帯の中から時折観れる蓮華岳東尾根が癒し


「JPまでは無理だな…。」


結局1950mにたどり着くことはできなかったが、1850m付近で良い幕営地があったのでテントを張った。気温はマイナス15度とそれなりに寒く、濡れた手袋が凍りつき、スノーゲイターも凍って中々外せず危うく凍傷になるところだった。テント内ではシェフのとっちによるキムチ鍋&雑炊で大興奮や!20時30分就寝。翌朝3時30分起床。朝ごはんの餅を平らげ5時20分出発。久々の冬山とはいえ準備に時間がかかった。



その後も膝〜腰ラッセルが続いたが、前日と少し様子が変わっていた。ここまでは危険な箇所というのはほとんどなくラッセル三昧という体力登山だったが、雪崩や雪庇の危険ポイントが目につくようになり、加えて若干のクライミング的な要素が増え、ルートファインディングが要求される箇所が多くなった。そしてひたすらラッセル。

ちょいとしたクライム

ハイパーラッセル

見える。私にも槍が見えるぞ。


そうこうしている内に樹林帯を抜ける。昨日から続いたラッセル三昧により疲労が溜まっていたが、目の前に広がる景色に気分が上がる。

JP 南峰 爺ヶ岳

美しい朝日と山と町



更に高度をあげ続けると赤布が見えてきた。同時に目の前に南峰と爺ヶ岳が見えた。JPに到着したようだ(9時30分)。常に風が強い場所なのか、雪が幻想的な模様をしていた。個人的には雪の砂漠のような印象を受けた(詩人)

まるで砂漠のよう


JP到着

岩小屋沢岳 鳴沢岳 赤沢岳

西側に厚い雲が見えます見えます


西の空を見ると厚い雲が接近しているのが見える。予報の通り午後は天気が荒れるようだ。時刻は9時30分。頂上に着く頃には正午を超えるかもしれず、更に荒天。下山が17時になってしまう可能性にも鑑み、ここで撤退を決意。


下山途中で既に天気が怪しい

爺ヶ岳を振り返ると黒い雲が

わかんを外しアイゼンとヘルメットを装着して下山開始。途中テントを回収し、ひたすら下山。登りと違ってスピードが全く違う。あんなに時間をかけて登ったのに、帰りは4時間30分ほどで駐車場に到着した。

下山。帰りは道路も除雪されていました。



【総評】

ラッセル地獄