2016年1月9日土曜日

2015.12.29~12.31 槍ヶ岳中崎尾根

 あけましておめでとうございます。庶務担当Nです。本年もよろしくお願いします。

 昨年は夏山の一発目の山行で左ひざをぶっ壊し、あまり思うような登山をできず、また以前のような馬力が年のせいもあるのか(27歳)でないこの頃ですが、2015年の締めくくりに思いがけず素晴らしい登山をすることができましたので報告します。

日程:2015.12.28夜行~12.31
メンバー:S隊長、Hさん、隊員I、N(書記)

 まず、12月28日22時、2015年最後の金曜日故、忘年会の酔っ払いたちが徘徊する横浜駅にて集合し、S隊長の7人乗りパジェロで新穂高へ向かう。いつものように私は車内で一人飲んでいた。すいません。今回の中崎尾根はS隊長とHさんは5年前の敗退からのリベンジである。前回はペースが遅く好天を逃してしまったとのこと。今回も行動速度がカギとなりそう。
 29日2時位に新穂高無料駐車場に着。2時半に就寝。雪はやはり少なかったが、ちらほらと降ってはいた。

29日 曇りのち晴れ
 4:30起床。ほぼ寝ていないが本日中に中崎尾根の稜線に出たいため、早々に起きだし出発の準備をする。Iさんにハプニングがあったもののみな寝起きはまあまあ。スピードを出すためにできるだけ装備を軽くした。ワカンは持っていくか迷ったが、雪の量やトレースの有無などを勘案しデポしてくこととした。結果は大正解であったが。
 荷物の重量比は、 I>N>S>>>>>>>>>>H(女性) となった。
 私はテントと朝夕食を持っていたが、それでもIさんが重くなっていたのは、水を5L持っていたからである。まさにどMである。いや感謝である。これで水を作る手間が大幅に節減される。それにしても新穂高の登山案内所は快適であった。高校時のおんぼろの印象しかなかったが、新しくなっていた。
 5:35発。暗い中、右俣林道を歩き出す。温かいのでIさんなどは最初からロングTシャツ一枚となっていた。6:45穂高平着。ここで大休止した。小屋は開放されており快適そうであった。さらにつまらない林道歩きを続け7:45白出沢出合。ここも新しく整備されたらしく砂防ダムが27年完成となっていた。
穂高平にて休む隊長と服装の様子がおかしいI

滝谷ドームが見える
白出沢からは登山道の歩きとなりやっとで登山ぽくなる。だんだんと天気はよくなり青空も見え始めた。気温も上がりかなり汗をかいてしまった。やたら荷物が重いIおよびNはかなりばててしまった。9:10滝谷避難小屋着。10:35やっとで槍平着。昼ご飯を食べアイゼンを装着。11:05発。
槍平にて
ここから中崎尾根に出るために尾根に取りつく。トレースはばっちりあり、ラッセルの必要はないが降りの際の踏み跡のため登りの場合かなり大股で筋肉に効いた。40分ほど尾根上を直登し休憩。振り返ると穂高連峰が全貌を現している。天気は快晴となり展望は抜群だ。景色を見ていると疲れも吹き飛んでしまう。奥丸山の肩への最後の登りを踏ん張り、中崎尾根の稜線に出る。だらだらと歩き13:30、2360m付近BC予定地へ着。先着でテントは2張あった。幕営できるよう雪を掘り踏み固め設営。夕飯までは時間があるのでブラブラ景色を見たりして和む。テントサイトからの景色も抜群で真正面には南岳、大キレットをはさんで北穂、奥穂がよく見えた。
テン場からの眺め。夕暮れの穂高

トマトペンネを作るNと大先輩Mさんのまねをする隊長
初日の夕飯はNの担当であった。ほぼ固定となってきた感のあるトマトベースのペンネである。ベーコン、玉ねぎ、マッシュルームなどを煮込みトマトスープで味付けする冬にはもってこいだと私は思っているがどうだろうか。酒を持ってきたのはNだけだったが空気を読まず一人で飲んだ。冬はバーボンはもちろんだが、ジンが非常に向いていると個人的には思う。冷やせば冷やすほどおいしくなるのだなこれが。
 夕飯を食べ終わり翌日の水を作ると特にすることもないので17:30就寝。


12/30 快晴
 4:00起床。実に10時間半寝ていた。朝食は鹿児島ラーメン味のマルタイにS隊長差し入れのチャーシュー(凍っていて切るのが大変だった)を豪快にぶち込んだもの。朝からヘビーだったがこの日午前中の行動食をほとんど食べなくてよいほど腹持ちがよかった。
 5:35発。BCからすぐのところにより多くのテントが張られていた。信州大や日大の大学山岳部のテントもある。信大は出発が遅れたためか、下級生が先輩に叱責されていた。こえー。でもここでしっかり技術を身に着けるのだろう。両者大変だけどがんばれー。
 暖冬と言えども夜明け前の北アは寒く、吹き付ける氷交じりの風は冷たい。体温を上げるため少しペースアップして歩く。6:40千丈乗越下部の取りつきで日大隊に追いついた。ここで休憩。夜明けの空が美しいピンク色に染まっている。下界で鬱積したくさくさした心が洗われるようだ。寒いけど。最後尾のリーダーぽい子によると3日かけてルート工作を行い、今日アタックなのだと。これまでばっちりあったトレースも彼らによるものだったのだ。この時私は今年の箱根駅伝は日大を応援すると心に決めたのだった。
夜明け間近の笠ケ岳
西鎌尾根から槍を見上げる

最後の急登。槍の影が。手前はI

 千丈乗越で日大を追い越し、西鎌尾根の登りとなる。浦銀座の山々は真白で眩しい。やはり雪は少なく岩がむき出しになっているところもあるが、危険な個所もなく順調に高度を上げ、8:35槍の肩着。主稜線に出るとひどい強風で氷が頬や目に当たり痛い。寒いので休憩もデポもせずに穂先へ取りついた。ほとんど岩の登りでさくさくと進み、9:00槍ヶ岳山頂着。ついに冬槍に立った。最高の天気、トレースばっちりと、難しいところは一つもなかった。しかしやはり嬉しい。4人ともやっほいうほほいなのである。大天井、常念、穂高、笠、双六、鷲羽、針ノ木などなど北アの山々が一望できる。
肩から穂先

山頂より穂高
頂上まであと少しのHさん

記念撮影。左からN、Hさん、隊員I、S隊長
10分程滞在し下山開始。慎重に降り、肩の小屋で昼食。くっそ寒いので休憩も程々にし10:00発。西鎌尾根を降り始めると風は大分おさまり、日の当たるところは暖かい。ぽかぽかと春山のようでもある。10:35千丈乗越。無駄にシリセードで新規ルートを開拓しつつ中崎尾根を降る。
西鎌尾根の稜線と笠

 11:50BC着。存外早く降りれたことと、明日の行程を楽にするため槍平まで降ることとする。私は結構疲れていたのでテントの撤収がすこぶる面倒ではあった。
 12:50発。奥丸山への登りが非常にきつかったが、あとは降るだけだと油断していた。が、尾根道で2回転倒してしまった。14:05槍平着。すぐに昨日と同じようにテントを設営。2日目の夕飯はラーメンである。Hさんのお手製乾燥野菜とS隊長のチャーシュー(2本目)で非常に満たされた。特にすることもないので18:00就寝。


12/31 曇り
 6:00起床。寝すぎである。I隊員の様子がおかしかったが気にせず、そばを食べ7:40出発。快調にとばし10:20新穂高着。帰りがけ穂高平でHさんが今年一年探し求めていた山彦にも思いがけず出会えた。よかったですね。その後、平湯で温泉に入り帰途についた。そして私は一人大晦日過ごしたのだった。


 一年の締めくくりに天気や仲間に恵まれ、素晴らしい登山をでき感謝。今後は会としても冬山縦走を増やせればと思う。もちろん今回のような好条件下ばかりではないので、雪山の知識・経験をもっと積まなければならない。ということで大先輩方、よろしくお願いします。

記録:N

3 件のコメント:

  1. 最高の景色ですね!何とも羨ましいです。

    上野

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  2. 報告ありがとうございます。NさんとIさんのおかげで数年ぶりに楽な山行でした(^^)今後もぐいぐい部員を牽引して行ってくださいね!Good Job!!        

                                          坂本

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  3. >>>>>Hも荷物15~16㎏(とても精査した個人装備+共同食+水)持ってますが、皆の荷物は倍ぐらい?の重さでしたね。一人ではいけない山へ一緒に行ってくれる仲間がいるということに、いつも恵まれたことであると感謝しています。ありがとうございます。長谷川

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