2017年3月5日日曜日

冬の秩父・赤岩尾根から両神山

 少し日が経ってしまいましたが、漢(おとこ)三人、秩父の両神山へ行ってきたので報告します。

日程:2017年1月29日(日)前日発日帰り
天候:晴れ
メンバー:松浦、野戸、上野
行程:起床4:30-赤岩橋・出発5:45-赤岩峠6:45~55-赤岩岳7:20~25-P49:00~10-P110:40-八丁峠11:10~20-西岳12:10-両神山14:05~25-上落合橋17:15


 今回行く赤岩尾根から八丁尾根の継続コースは知る人ぞ知るマニア向けのコースで、戸隠、妙義と並んで三大藪岩バリエーションの一つ。
 長老?の私(上野)は今まで単独で冬に二回このコースに挑んでますが、いずれも時間切れで途中敗退しています。
 今回同行してくれる若手二人は、この正月に冬富士に登ったばかり。
 二千mにも満たない藪山ではヌルいかなとも思いましたが、ミニ北鎌風?の味わいなのでそこそこ楽しめるかなと思いました。


 両神山は辺鄙な所にあり、横浜から日帰りではキツいため前日発。
 圏央道開通になり若干早くはなったようですが、相変わらず高速を下りてから長いです。
 登山口の適当な所にテント泊。野戸料理長のおいしい夕飯、それぞれ持ち寄ったお酒を腹に納めて明日に備えます。


 翌朝、暗い内に起床、出発。
 まずは廃村の間を通り抜け、樹林帯の道を最初のポイント赤岩峠まで。
 今回、先頭は若手二人に任せましたが、早くもパワー全開。付いていくのがやっとで、この先どうなることやらと不安でした。


 赤岩峠からはバリエーションの様相なので、ここで一応ヘルメットとハーネスを着けることとします。
 雪はそこそこありますが、アイゼンはまだ。珍しいことにまだ新しいトレースがあり、ルートファインディングが必要とされるコースなだけに、これは予想外の出来事。

 尾根を少し登り樹林帯を左にトラバース。雪のルンゼ、そしてちょっと細い岩のリッジを辿っていく。
 「これで一般ルートですかぁ?」と野戸隊員がボヤくが、ロープは出さず良いペースで進む。
 そして最初のピーク赤岩岳に到着。木陰越しに上州の鄙びた山並みが続いている。


 

 その先の岩峰が、一応このルートの核心か。
 正面突破はⅢ級の岩登り、やや左のFIXロープ沿いにも行ける。チャレンジャーの松浦隊員は正面、堅実派の野戸隊員と長老は後者を選ぶ。
 「まっちゃん、落ちないでね。(笑)」と思いながらも、FIXロープの方も一部垂直でけっこう悪かったです。


 さらに続く1,583m峰では、南側スラブ状の岩場を登っていく。
 ピークからは一旦高度を下げ、尾根は続く。登り返した所が樹林帯の中のP4。
 ここまでで赤岩尾根のようやく半分。八丁尾根から両神山までまだまだ長いです。



 さらに登って下りて登って下りてを繰り返し、野戸隊員がやや不機嫌になる。(笑)
 うーん、山岳部らしくて、なかなか楽しめるコースだと思うのだが。


 ちょっとしたチムニーなども越えてP2に到着。
 その後、安易なトラバースを選んでしまい、赤岩尾根で最高の展望地P1を飛ばしてしまったため、ここは引き返してキッチリ登っておく。
 丹沢とほとんど同じ標高ながら、周辺には街が無く、なかなか遠くまで来た感があります。


 6時間弱かかって、ようやく中継地の八丁峠に到着。
 ここからエスケープして下山もできますが、当然のことながら続行です。


 赤岩尾根は藪と岩とルートファインディングのコースでしたが、八丁尾根は藪とルートファインディングが不要になった分、大きな岩の段差と鎖場が続きます。


 体力的にも精神的にもヨレてきましたが、もうここまで来たら両神山の頂上までたどり着かない限り帰れません。(明日は仕事です。)
 またまた登って下りて登って下りて・・・を繰り返し、ようやく両神山の山頂に到着。
 いや、ほんと長かったです。


 一休みしてから、いよいよ下山。この先も一般ルートではなく、最後までバリエーションです。
 とりあえず下山コースの目途はついたものの、途中から急勾配の不安定な雪の下りとなり、何やら様子がおかしいです。
 凍った滝なども出てきて、こんなに悪い所を下るのかと思いましたが、松浦隊員が見事なファインプレイ。正規ルートである赤布を見つけました。


 しかし、それでもこの下りが延々と長い!
 ネットの記録では無雪期なら1時間~1時間半と聞いてましたが、話が全然違う。
 正直言って、ここで夕暮れに掴まりヘッデン残業となったら、けっこう悲惨な状況だったでしょう。
 何とか夕暮れ前に安全地帯の林道に降りられて、ホッとしました。


 積雪期の赤岩尾根から両神山は、ネットで見てもそうそう記録は無いはずです。
 若い二人が引っ張ってくれたおかげと感謝しております。

 また自虐的な(?)山へ行きましょう!

 (上野・記)  

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