2017年11月18日土曜日

2017.9.22~25 湯俣川弥助沢

天気に裏切られ続けた今夏。最後に最高の山行ができ大満足。
こんばんは。Nです。


直前まで魚野川と悩んだのですが、金曜の天気がまだよさそうな湯俣川に水曜時点の予報を見て決定。

22日 曇り
 前日、22時に罵られつつ出発し、七倉には翌2:30着し車中泊。朝、上手いこと3人組のハイカーを発見し乗り合いで高瀬ダムへ。7:15発。間は割愛し、9:15晴嵐荘着。なんだかんだ四年連続で来ている。ここでY根さんにルートの状況を聞くと、例年の9月よりも水量多く引き返す人もいるとのこと。また、前日伊藤新道を下ったNHKパーティーの下山が21時過ぎだとの情報を得た。 結構不安になりつつ明後日また来ますと言って、9:30発。噴湯丘とかを通過し、いよいよ溯行開始だ。硫黄尾根の赤茶けた壁が独特の景観を作っていて、これだけでもよい眺めである。崩壊を続ける尾根のため、ゴーロはとがっており、手を切る位鋭いけど、フリクションはバッチリである。川が蛇行する度、腰まで浸かって渡渉するが、先月の双六谷で激流の渡渉は経験済みなので、面食らう感じはなかった。
 12時に右岸壁に「引き返す勇気を」と書かれた渡渉点が現れた。流れが急で深い。簡単に渡れるところがないか観察するが覚悟を決めて行くしかないようだ。ザイルを岩に引っかけ確保しつつ渡る。ザイルなしでは流される強さである。なんとか渡りきり回収を試みるも、引っかかってとれなくなってしまった。また渡ることにウンザリしつつ一歩水に入れたところで流れに身体を持っていかれ落下。滝の下へ流されたが、ザイルとヘルメットをつけていたので無事だった。岩に捨て縄を通し再度渡渉。今度は抜けた。
 全身ずぶ濡れとなり、歯が噛み合わなくなって、テンションはがた落ちであるが、とりあえず歩き出す。この渡渉点以降は危険を感じるところはなく、あいかわらず腰くらいの渡渉を繰返し登って行く。13:05ワリモ沢出合。14:30ニセ硫黄沢出合。硫黄沢の上流に温泉を探しに行ったが、あまり温かくなく入る気にはならない。先へ進むこととする。少し行くとまた硫黄の流れで出合う沢があった。おそらくこっちが本当の硫黄沢だろう。あいかわらず湯はぬるいし、上からの落石が恐いのでさらに上流へいくこととする。この先から、谷の植生が変わり岸は緑がちになり、水も青から緑になった。一時的に川の傾斜が増し滝を掛けるようになる。幕営適地を探しながら進むが中々よいところがない。多段となっている滝の途中に一人横になれるスペースをみつけ、雨がぱらついてきたこともあり、不本意だったが、今日の寝床とする。16:401860m付近。降ったり止んだりのなか焚き火をし21:00就寝。


下部の激流

水量が多いとここも簡単には通過できないだろう

ザイル徒渉。この後するっと流された

硫黄沢の手前の硫黄の沢

初日の寝床は狭かった



23日 曇りのち晴れ
 夜半1時頃強く降ったものの朝は止んでいた。今日はあまり歩かないのでダラダラすごし8:40発。  9:10最初のポイント。餌は昨日捕まえたバッタでまずトライ。するとすぐに食いついて持ってかれた。これは期待できそうだ。ブドウ虫に変え、何回か投げてみると1尾目が釣れた。体高のあるヒレの大きな雄だ。大きさは26~7cmほど。逃がすか迷ったが美味しそうなので捌いた。このポイント以降、イワナがバンバン走る。一度、大岩の下に錆びた大物を見た気がし、トライするも当たりはなかった。ゆるゆると河原歩きをし、弥助沢の出合を意識しつついく。似たような入口を一つ見送ったあと、これだという出合に到着13:20。ここでは尺を目指しキャッチリリースを繰り返すも最初のを越えることはなかった。結果、通算して7尾釣り3尾食べることにした。
 釣りをやめて弥助沢に入ろうと地図見てみると、標高がまだ30m低いことに気付いた。自分の勘を信じるか高度計を信じるか迷ったが、とりあえずもう少し本流を登ってみることにした。少し行ったところでまた二俣となっていたので、だめだったら戻るつもりで支流に入って見たところ、ゆるーく登って行っており弥助沢っぽい感じ。さらに悪いことに正解とおんなじように少し先でも二俣になっており、これだ!と思い進んだが、方角が西へ進みすぎてきた。本来は真北へ進むはずなので、間違いに気付いた。最初の出合に戻りリトライ。ロスタイム1時間弱。幕営地を探しながらゆっくり歩き、16:05標高2150m付近に平坦地を見つけタープを張った。昨日と比べると非常によい場所だ。
 流木を集め宴会開始。メニューはイワナと炊き込みご飯だ。出来上がるまでの間にウインナーをつまみに焼酎バーボンと結構飲んだ。気づくとご飯は盛大に焦げていた。イワナは全て塩焼きにし、日本酒でおいしく頂いた。食後もチビリチビリとだらしなく飲みつつ焚き火をいじくる。実は食後に焚き火をかまうのが、一番好きな時間だったりする。22時頃就寝。タープなので顔が冷たかったがかなり熟睡できた。


朝一から釣り。気持ちいい日だ!

硫黄沢を分けてからは植生が美しい

弥助沢出合。右へ入る

出合で釣る

これは逃がした

沢の楽しみ

二日めの寝床。快適だった


 23日 晴れ
 結構朝は寒く、惰眠を貪り6:15起床。すぐに火を蘇生し、朝飯とする。しかし前日の焦げが中々とれず、コッヘルを洗うのに時間がかかった。食後もダラダラ地図を見たりして結局出発は8:15となってしまった。
 気温は既に高くなっており、水は全く冷たくない。前方左には双六への縦走路があり、振り返れば硫黄尾根の先に北鎌を従えた槍が見える。最高の登山日和だ。二俣となるところは大体右へ入る。あまり下調べをしていないため、どのラインが正解なのかわからない。すると斜度が増し、スラブのような岩が露出するようになる。前方には滝がかかっているのが見える。こんな滝があるものなのかわからないが進む。滝の中央まで進むも岩がもろくトラバースできなかったのでいったん降り、右岸の草付きから登る。滝を越えてからは急に源頭部の様相になり鬱蒼としている。しかし藪こぎと言うほどは濃くなく問題なく進める。コンパスを見ると進む方角がかなり東寄りになっており不安になるが、どこかで伊藤新道にぶつかるだろうと詰上がると道に出た。多分一つ隣の沢を登っていたようだが、そんなに悪くはなかった。
 10:15三俣山荘着。沢装備を解除し、10:45発。伊藤新道を降るか非常に悩んだが、あまり疲れていないことと、久しぶりに北アの稜線歩きをしたいので、竹村新道を下山路とした。過去に何度か歩いているので特に調べてはいなかったが、コースタイムは三俣から湯俣まで9時間以上あり、これだけでも一日行程だ。今日降りて晴嵐荘で酒盛りをしたいので、急いで進まなければならないが、最初の鷲羽への登りですぐに選択を後悔することとなった。しんどい。11:30鷲羽岳、12:55水晶小屋。黒部五郎をバックに黒部源流が伸びている。次の目標は上の廊下かなあ。
 14:45南真砂分岐。ここから竹村新道の降りに入る。コースタイムでは4時間強かかるようだが、明るいうちに下山したい。南真砂へは長く感じたが、そこからは一気に高度を下げていく。途中で靴下を替える以外はあまり休憩せずに、18:15晴嵐荘着。7時間半で下山できた。伊藤新道の方が早く着いたかもしれないが、まぁこの時間ならよし。ご飯だけもらうつもりだったが、泊めてもらった。いつもここでは厚意に甘え続けている。すぐに風呂に入り、夕食。夜はラガヴーリンをたらふくご馳走になり、湯俣川の様子とか、去年の北鎌の話とかをしながら過ごし、22時頃就寝。


弥助沢のきれいなところ。顔がほころぶ

振り返ると槍が大きい

詰めあがったところ

一応、ピークも踏んだ。今夏唯一のピークハント

南真砂付近から独標と槍。暗くなってきたー

クミンの効いたおいしいカレー



 24日 晴れ
 6:30起床。朝風呂にはいり、あとはダラダラ過ごす。晴嵐荘は出発を遅らせる魔力が何かしら、ある。名残惜しいが、9:15発。今回も本当にお世話になった。受け取ったサービスよりもほかの小屋(ほかの小屋知らないけど)ゆるい空気が好きだ。来年もきっと来たい。11:10高瀬ダム。ちょうど前のタクシーが出るところを呼び止めて相乗りさせてもらった。帰宅16:30


朝も入る

今年もお世話になりました。新天地でもお元気で

0 件のコメント:

コメントを投稿